
おだやかな朝です。気温がだいぶ緩んできました。
きょうも知人宅へ。
一階はみるも無惨な泥だらけ。とにかく目につくものから、泥をおとし、水で洗う。その繰り返しの連続。
茶碗、鍋、ビン類、花瓶、ショーケース・・・。
一日かかっても、ほんのワンコーナーしかできない。
ふとエンデのモモの中の掃除夫を思い出す。「掃いても、掃いても先が見えない。だから目の前のことだけに集中するんだ・・・・」そんなことをいっていたなあ。
玄関前にはまだ、うずたかい泥とゴミの山。
家の前の道路を、ボランティアの人たちが通っていく。
遠くから来た人には、遠い土地の風がまといついている。この村にはない風のにおいがする。動作も歩くリズムも。
ふだんならちょっと声をかけて、「どこから来たの?」と訊いてみたいところだが、とにかく目の前の仕事を。手を手を動かし、泥と泥を洗い落とす。

昼、役場前では、黒石やきそばとポトフがふるまわれたという。
私はお昼を家の者に用意するために、小一時間ばかり家に戻る。Tさん夫妻は、いただいたようで、「おいしかったよ!」とにっこり笑う。ちなみに、前日は久慈市山形町の「べこ汁」がふるまわれたそうだ。支援は物資だけでなく、人がもっともほっくりする「おいしくあったかい食べ物」へと、ひろがっているようだ。
この日、Tさんの家の写真をどうしても撮ることはできなかった。さしさわりのない形で撮れないことはなかったが、何かがつよく作用する。親戚の家も、Yさんの家も同じだった。
個々の家にカメラを向けるのは胸が痛む。船は町のど真ん中まできていた。

いつかどこかでなにかがあったとき、
わたしもわたしにできる小さなを善意を、お返ししよう。
忘れることなく。
支援物資のクリームパンをもらう