養老さんの復興

ほんとうの復興

 

内田樹の本を読んでいたら、これからのことを百年単位、宇宙単位で考えているのは養老先生だという発言をしていた。「バカの壁」いらいたくさんの本を出し続け、そのつど都市化の弊害、自然への回帰を繰り返し述べている養老さん。

養老さんはこの危機的状況において、どんなことを発言するのか、まあ、知りたいのですよね。当代きっての知識人が、この場をどのように捉え、どのように乗り切っていこうとするのか。

わたしが知りたいと思うのは、養老孟司、内田樹、村上春樹の三人。たてつづけにランダムに読み続けているので、集中して取り上げてみたい。

 

まずは、「ほんとうの復興」池田清彦、養老孟司(新潮社)

わたしのふるさと野田村は、がれき撤去がほぼ終息にむかい、支援物資の仕分け作業も7月で終わった。仮設住宅(213戸)もすでに入居がすんだ。遠方からたくさんのボランティアの方々が途切れる事なくきてくれて、なんとかここまできたという感じがする。そして、これからどうするのか、それが気がかり。

 

ほんとうの始まりは、これから先。大きな視野をもつこと、複眼の視線をもつこと、己を知ること、他を知ること。そして歴史からも時代からもいつも搾取され、おいてきぼりにされてきた寒村の運命を、見つめ、問い直すこと。そうでなければ、なんの復興といえるのか。

 

さて、本題。養老先生は再三にわたり、都市と田舎の参勤交代をまじめに本気で説いているんですね。じつはわたしの「復興試案」の詩とぴったりあっているんですが、わたしが真似したんじゃないんですよ。

養老さんは言っています。都会に住む人は田舎に小さな家をもち、3ヶ月ぐらい田舎に住めばいいんだと。その逆もありですね。田舎の人は都会に3ヶ月ぐらい住みたいのですよ。そしたら、どんなことになるか。そりゃあ、楽しみです。だって田舎はまだまだ女が窒息状態ですから、ほんのちょっとの自由をかぐことで意識はぐっと変わるでしょう。男もしかり。つまんない封建制にしがみつくこともないでしょう。

養老さんは言っています。過疎地は人がいないから商売にならないだけで、人がいれば商売は成立する、と。どんどん田舎来てくださいね。

日本は再構築について本気で考える時期でしょう。経済について、エネルギーについて、そして幸福について。

壊れた防波堤

さてきのう9日ですが港にふらっと行ってきました。漁港は、防波堤も護岸も漁協の建物ももののみごとにこわれ、まだ復旧のめどが立っていません。

それでも漁師さんたちは、真っ黒になって復旧の作業をしていました。この日、福島からやってきた中学生と遭遇しました。浅川中学校1年生70名あまり。(姉妹校かな?)毎年野田村に来ているそうです。「なにかするんですか?」「ホタテとか食べに・・・」「ああ、残念ですね。今年だめですよ」と、道の駅で話し、そのあと港に行ったら、また遭遇。

港

いろいろ手配してくれたのでしょう。8時間もかけてやって来てくれた中学生たちは、焼きたてのホタテを味わっていました。この日はえぼし荘に泊まるそうです。

「がんばってね!」そして「がんばろうね!」

 

 

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