谷川俊太郎さんの「こころ」

谷川俊太郎さんの詩集「こころ」(朝日新聞出版)から

  彼女を代弁すると

 

「花屋の前を通ると吐き気がする

どの花も色とりどりにエゴイスト

青空なんて分厚い雲にかくれてほしい

星なんてみんな落ちてくれればいい

みんななんで平気で生きてるんですか

ちゃらちゃら光るもので自分をかざって

ひっきりなしにメールチェックして

私 人間やめたい

石ころになって誰かにぶん投げてもらいたい

でなっきゃ泥水になって海に溶けたい」

無表情に梅割りをすすっている彼女の

Tシャツの下の二つのふくらみは

コトバをもっていないからココロを裏切って

堂々といのちを主張している

 

  最後の2行がすばらしくて、さすが詩の神様と書き留めてみたくなった。
  他にもたくさん切り口のするどい「心」の詩が。
 
 きく
 
 
 
 
 

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