「小澤征爾さんと、音楽について話をする」

大好きな作家の本を立て続けに読む幸せ。養老先生の三部作「大切なことは言葉にならない」内田先生の最新版「呪いの時代」、そして村上春樹の「小澤征爾さんと、音楽について話をする」をガチンコ読んじゃった。本はなんて楽しいのだろう。そして本はなんて気前がいいのだろう。つくづくそう思う。

「良き音楽」は愛と同じように、いくらたくさんあっても、おおすぎるということはないのだから。そしてそれを大事な燃料として取り込み、生きるための意欲をチャージしている人々が、この世界には数えきれないほどたくさんいるのだから」(P30)

今、コーラスに参加してみて音楽のもつ力にあっとうされている。そこに集う人々の目の輝き、あかるい言動に、おどろき、感動し、魅入っているわたし。

 

被災地になんど通っても、この一線だけは越えれないというおもいがあり、仮設住宅に足を踏み入れることができませんでした。

先日、コーラスの練習のあと、Iさんが「来て来て」というので深夜の仮設のお宅にお邪魔した。小さい部屋に小さいコタツがあり、小さな花瓶にかれんな花が飾ってあった。お茶ときのう漬けたというカブのお漬け物をご馳走になった。仮設の住民が入れ代わり立ち代わりやってきてくつろいでいくというその部屋は、狭く小さいのになんとあたたかい部屋なのだろう。

部屋の角に一遍の俳句が無造作に貼られていた。

身一つとなりて 薫風ありしかな  佐藤 勲

温和なご主人の句に、おもわず引き込まれてしまった。

くずまき

 

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