港の復興を願って

11月の詩は、海で生きる漁業の人たちへ、再生を願って書いた詩です。HPトップ画面の写真は、8月の野田港に浮かんだ2艘の船。

壊れた港にはなにもなく、漁師のひとりが地べたに座って破れた網をもくもくと編んでいました。浜の女がふたり海をみながら座り込んでいて、船がないとなにもできないと嘆いていました。秋がきたというのに、船はまだまだ港に浮かびません。

   北のみなと

     —復興試案6

久慈湊から少し南下すると

北限の海女で有名な小袖があります

小袖には漁船が100艘ばかりあって

一艘のこしてみんな津波がもっていった

小袖からさらに南下すると久喜があります

久喜には85艘の船があって

8艘のこしてみんな津波がもっていった

久喜からさらに南下すると野田の港があります

南の波と北の波が跳ねて返って野田港はこっぱみじん

船は一艘のこったと聴くが

船も買えないと浜の女が泣いていた

ホタテもウニも天下一品なのに

男は黙し

ぽつねんと壊れた網を繕う

波の音

波の音

幾千の

波の音

どこかじゃ億の金が湯水のごとく流れるという

不思議の国の

じゃぽーん じゃぽーん

 

野田の港には震災前230艘弱の船があり、3.11の津波でほとんどが流され、助かったのは10艘なかったといいます。

その後のニュースで北海道から船が久慈に百何艘か送られたと報じられたので、少しばかりほっとしていたのですが、つい最近港の人の話をきき現実の厳しさに唖然としました。船はまだまだ一割にも満たず、何艘かの船で、みんなで乗り合って漁をしているとききます。だまっていると知らない厳しい現実。それでももくもくと黙して働く漁師の人たち。その姿にわたしは魂をゆさぶられます。

三陸沖は世界でも有数の魚の宝庫。その海は三陸の誇りです。海を汚してはいけないし、海を甘くみてもいけない。そして海で生きる人たちを、忘れてはいけない。これから冬のアワビ漁に入るという。がんばれ漁師さん。がんばれ三陸の港。みなさん、応援してくださいね!

私はやっと風邪から脱出できました。ご心配かけました。(心配してなかった?)長かったけど、全快で〜す!

コメント / トラックバック 2 件

  1. snowman より:

    写真も詩も良いですね♪
    ココロに響きます、細川さんCNONの番組ですね。
    毎週見てます、これを機に多いに活躍していただきたいです。
    日本人はアートも音楽も流行に流されすぎです、本物を見る感性を養って欲しいです。

  2. 京コ より:

    snowmanさん
    お変わりありませんか? また11日が近づいてきましたね。もし、お時間があったら
    一緒に黙祷しませんか? その日のことのお話も一度うかがいたいです。よろしければ
    お茶っこ飲みにきてください。

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