買い物帰り

 

春うららの日は

おうちが　とおい

買い物帰りは　道草ばかり

石垣の　目くばせ

川原の　光り

新芽の　うぶごえ

みな　わたしを呼ぶ

のぞきこみ

ふりかえり

顔をよせる

遊ぶ　子どもたちと

空をゆく　雲

コバルトの下の　つつましい暮らし

花があり　木があり

土がある　日々の暮らし

くらし　くらし

そのにほいの中に・・・迷って

（冬眠から目がさめた熊のお吉で〜す！）

よっ、田んぼに水が入ったね。きのうね、カッコウないてたよ。

いつもは２５日ぐらいで、ちょっとはやいかな。

ホトトギスも日曜日にないてたし。まだまだ、発生練習ってとこだけどね。

 

みるみる葉を広げた楓

 

春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。（枕草子）

 

春の庭は日々あたらしく

いのちが吹き出してくるんです

あたらしいものたちは

輝くばかりの色をまとい

いのちをきらきらきらめかせて

やあ！　とか　ほう！　とか　いってるんだけど

 

いそがしいと

つい聴きのがしちゃうんだ

スズメも鳩もいちゃいちゃしてて

つい　おいおいおいと　いいたくなるけど

 

人間だってつい二百年ぐらい前には

ぼうっとしててしっぽりやっていたことだろうサ　ね

コマザクラ

こう世知辛い世の中だと

なんかそっちのほうがいいような気して・・・・くるんだな・・・ん

 

 

三陸鉄道が行く

 

むこうに見えるのは

ゾウさんよりもピラミッドよりも大きくなった

瓦礫のお山

田園は代掻きがはじまった

こんな春の日は　裏道を通る

おっ！

きたきた　三鉄がきた

ぐぐっと　せまってくる

りっぱだなあ

けなげだなあ

ふりかえって手をふる

すぐ　折り返しだけど

三鉄はめげない　えらい！

だけど　もう　遠くまでは行けないのだ

去年は看護で乗れなかったけど

今年こそ　いっぱい乗るんだと決めていたのに

 

ぐねぐねの　とびとびの　折れ曲がった線路よ

三陸リアスの　青い旅よ

村と村との陸の孤島を　一本の鋼鉄でつなげ