震災が残したもの

 

きのう、花巻のモッチンに電話したら連れの0さんが出て「今、大槌町に向かって走っている」という。なんとその大槌に行くにはどこをどう走ればいいのかを訊きたかったのだ。そう伝えると電波はバババーと飛んでたち切れ。何度かかけ直すが、二言三言ですぐ切れる。そうしているうちに大槌についたらしくこれからきりきりの小学校や図書館や仮設の集会場を回って本を届けるのだという。さすが、もっちん。えらいなあ! 震災から変わらずに被災地を回って、あれやこれやと可能な限りの支援をつづけているお二人)

 

野田村にも、つい数週間前、えほんプロジェクトの人たちがきて、かぎられた時間内に本の整理を、それはそれはものすごい勢いでしてくれた。ぎりぎりまでねばった末、山のようにあった本の段ボール箱はみごとに整理され、終わるやいなや疾風のように帰っていった。その一週間ほど前、図書の現状をからまつ文庫のNさんに伝えると、「じゃあ、行くわ!」と、長距離なんか走ったこともないのに3時間かけてやってきてくれた。実はひょんなことから本の整理を頼まれたマドンナがひとり悪戦苦闘していたのだ。Nさんはマドンナにいろいろなアドバイスをして帰った。それをかかわっている絵本プロジェクトの人たちに伝え、何かできることはないかとやって来てくれたSさんたち。(絵本にかかわる人たちはみな笑顔が素敵な、前向きな人たち)

絵本は全国各地からものすごい数が集まり、もちろん重複している本も多数で、図書にはどうも?という本も数多いのだが、それにしてもこれだけの本が集まったのだからそれを生かして県北沿岸の児童書のメッカとなるような図書作りをしたらいいと私は思う。それが、全国から集まってくれた本への恩返しにもなるんじゃないかしら。

                村の中心地 この場所に現在仮設店舗建設中

久慈に来て、図書館を巡ってみて、その本の乏しさと熱意のなさにはほとほとあきれかえっていた。本は貧しさを満たすわけではないが貧しさがどこからきているかの手がかりぐらいにはなる。そしてまた何が大切で何を希望としていくかの灯火にはなる。そんなことをいうと白い目で見られるが、これからを生きる子どもたちと若き親たちには、声を大にして本を読めと伝えたい。

突然話しは変わるが、昨夜のニュースで野田村復興計画ができたと報じていた。高台移転。浸水した土地の国の買い上げ。その土地を公園化することなどを伝えていた。もし、公園にするのなら、ありきたりのつまらない公園ではなく、ここは叡智を結集して革新的な未来に通ずるものを創って欲しい。もしそれが自分たちでできないのなら、ここまで支援してくれた外部の力を借りる、そんな選択肢もあるのよね。

        手前が壊れた三鉄の線路跡、いよいよ三鉄の復旧も始まった

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