‘2012/02’ カテゴリーのアーカイブ

「そうはいかない」佐野洋子

2012/02/09

「そうはいかない」佐野洋子(小学館)

佐野洋子は死の間際まで立て続けにエッセイを出しました。そのほとんど全部がいいのです。「死ぬ気まんまん」とか「シズコさん」とか。

この覚悟、生と死に対する心構えがたまらないのです。あっぱれで痛快、ちょっぴり物哀しい。

この本は33編の物語エッセイ。ふつうのエッセイとはちょっとちがう。晩年佐野洋子は小説が書きたかったのかもと、ふと思う。

さて、この本の光る一文は、と言いますと――このひと言、肝に銘じておくとなにかといいのです。

 

「不幸は、不幸が好きな人間にしっかりと住みつくものである」(とろとろ)

 

 

本でも物でも、本物が好きで〜す!

 

本つげの櫛を買いました。盛岡の某デパートで長崎うまいもの市というのがあって、欲しかった本ツゲの櫛があったんです。本ツゲのブラシに、ほれぼれしちゃったけど、手が届かなかったのよー。ざんねん!

 

「さくらんぼ さくらんぼ」

2012/02/05

「さくらんぼ さくらんぼ」ぶん・岸田衿子 え・長新太(ひかりのくに)

たのしいたのしい小さな子どもにおくる絵本です。

もちろん、おかあさんもいっしょにたのしめる絵本ですよ。

岸田衿子さんは、詩人です。ユーモア、マイペース、のんびり、だれにもどこにもこびらない独特の作風をもっています。

言葉を自在にあやつり、たくさんのすぐれた絵本を創りました。

絵本界の巨匠、長新太さんの絵が、ぐぐーっとおはなしの世界にひきこんでくれて、ほんわか幸せな気分になることうけあい。

さくらんぼ、みんな好きですよね。

現れた動物たちが、さくらんぼをひとつずつ食べてゆき、さて、のこったさくらんぼは・・・?

子育てに疲れたとき、よい絵本が、ほっとわれにもどしてくれるんですね。

ほっ、ほっ、ほっとする、楽しい絵本です。

 

 

 

「デタッチメント」と「コミットメント」内田樹

2012/02/05

メディアは「ゆらいだ」ものであるために、「デタッチメント」と「コミットメント」を同時的に果たすことを求められる。「デタッチメント」というのは、どれほど心乱れる出来事であっても、そこから一定の距離をとり、冷静で、科学者的なまなざしで、それが何であるのか、なぜ起きたのか、どう対処すればよいのかについて徹底的に知性的に語る構えのことである。「コミットメント」はその逆である。出来事に心乱され、距離感を見失い、他者の苦しみや悲しみや喜びや怒りに共感し、当事者として困惑し、うろたえ、絶望し、すがるように希望を語る構えのことである。この二つの作業を同時的に果たしうる主体だけが、混沌としたこの世界の成り立ちを(多少とでも)明晰な語法で明らかにし、そこでの人間たちのふるまい方について(多少とでも)倫理的な指示を示すことができる。

色ペンすると受験勉強みたいですね。内田樹先生のブログコピペです。

メデイアについての文ですが、これって一個人にもあてはまりますよね。

「デタッチメント」と「コミットメント」は村上春樹の文にもよくでてきます。

どっちかに流れるのではなく、2つが融合してこそ「大人」、あるいは「成熟」ということなのでしょう。

人間、好きなように生きればいいと思うけど、そこには「倫理」がなければねえ。でも最近倫理って言葉きかないですよね。

「自分さえよければいい」って人がふえちゃって、あ〜あっておもっちゃう。

あさましいこと、つつしみがないこと、欲をたけることに対して、「はずかしいことはするな!」といさめられたものだけど、今はその逆だものね。

メディアが生き返るためには、それがもう一度「生き物」になる他ない。

内田先生はそういうふうにまとめてました。
今日は書く気なかったけど・・やばい、やばい。ねなくちゃ!

 

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